メインコンテンツエリア

STORY

0096/sect2 「赤い彗星」(3)

ストーリー挿絵

 フル・フロンタルの駆る《シナンジュ》は、無数に漂うデブリを全く意に介さない超人的な機体の制動を見せ、防衛線を張るリディたちを翻弄する。なす術なく追いつめられ、被弾していく《ネェル・アーガマ》。乗員たちの間に絶望的な雰囲気が漂い始めたその時、《ネェル・アーガマ》から無線が発せられる。同乗していた特殊部隊エコーズの隊司令ダグザ・マックールがオードリーを人質にしてフロンタルに停戦を呼びかけたのである。人質となったオードリーの正体は、ジオン公国の祖・ザビ家の末裔、ミネバ・ザビだったのだ。

 ミネバを人質とした停戦要求に対し、逆に『ラプラスの箱』の引き渡しを求めてくるフロンタル。大人たちの身勝手な行ないに怒りを覚えたバナージは、アルベルトの勧めに乗り、自らフロンタルを倒すため《ユニコーンガンダム》で出撃する。アルベルトは、《ユニコーンガンダム》もろとも『ラプラスの箱』の秘密を葬り去ろうと画策したのである。

 NT−Dシステムを発動させ、フロンタルに肉薄するバナージと《ユニコーンガンダム》。しかし、マリーダ操る《クシャトリヤ》との予期せぬ連係プレイによりバナージは意識を失い、《ユニコーンガンダム》の機体ごと拘束されてしまう。戦線を離脱してゆくフロンタルの部隊を追うこともできず、《ユニコーンガンダム》を失い、艦にも甚大な被害を受けた《ネェル・アーガマ》。その艦内は、敗北感と悔恨で満たされるのだった――。


preview  

コピーライト エリア