メインコンテンツエリア

STORY

0096/sect5 「重力の井戸の底で」(1)

ストーリー挿絵

低軌道上にある旧首相官邸〈ラプラス〉での戦闘の後、大気圏に突入した《ガランシェール》がアフリカ・サハラ砂漠に不時着してから三日。横倒しに着陸し、身動きの取れなくなった《ガランシェール》のかたわらに、憔悴しきったバナージの姿があった。

自らが動くたびに誰かが死ぬ。パラオで共に過ごしたギルボアを殺したショックから立ち直れないバナージをジンネマンは砂漠越えの旅に連れ出す。旅路の中、厳しくも美しい地球の自然、そしてジンネマンの過去に触れたバナージは人の哀しみを知るとともに、生への執着を取り戻すのだった。

砂漠越えを果たし、アフリカのジオン残党組織との連絡を取り付け、復旧する《ガランシェール》。万感の思いを胸にその様子を見上げるジンネマンとバナージの元に一人の少女が現れる。ロニ・ガーベイと名乗る褐色の肌の少女が告げるラプラス・プログラムの次なる目的地、それは地球連邦政府の首都・ダカールであった――。


preview next

コピーライト エリア