日本がまだ梅雨の最中だった7月某日──私、海外プロモーション担当は、ガンダムUC第2話の英語アフレコのため、からりと晴れたロサンゼルス国際空港(通称「LAX」)に降り立ちました。
LAXへの到着時間が午前11時半。アフレコは正午スタート。ランチをする暇はありません。スタジオ近くのスーパーで食料を調達し、急いで現場に向かいました。過密スケジュールで体調不良者が続出した第1話の収録……今回はそんなことのないよう祈りつつ。
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ある日の昼食@スタジオにて。 サンドイッチとポテトチップスとサラダ2種。皆でシェアしました |
さて、日本とアメリカのアフレコには、決定的な違いがあります。基本的に全キャストが収録日に集まり、一気に収録を行う日本のアフレコに対し、アメリカでは、一人ずつ個別に収録を行います。そのため、アフレコにかかる時間は日本の3倍とも5倍とも言われています。
掛け合いや絡みのやり取りがその場で一緒に出来ないため、ディレクションが非常に重要になってきます。
一人ずつで大丈夫なのかと不安に思ったこともありましたが、そこはさすがプロ!!監督の指示ですぐに場面を理解し、見事な演技を見せてくださいます。
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レコーディングブースの中。 一人用なので、マイクも椅子も1セット。 |
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台の上には英語版のアフレコ台本が。 |
さらに今回、この個別収録にプラスして特徴的なことは、ガンダムUCのアフレコが、ロサンゼルスとNYの2箇所で同時に行われていることです。これは、英語音声版の音響会社がどちらにもスタジオを持っていることで実現したことなのですが、2都市での収録は、幅広いキャスティングや収録時間の短縮を可能にし、今回のユニコーン英語版制作では必要不可欠な要素になっています。
ちなみに、キャラクターで言えば、バナージ、オードリー、マリーダはロサンゼルス収録、ジンネマン、タクヤ、ミコットはNY収録となっています。
ロスでアフレコを行っていると、同時進行で行われているNYの音源が送られてきます。電話で細かいディレクションのやり取りを行いながら、上がってきた音源をチェックし、ロスはロスで収録を行う、というのは目が回るような作業です。
アフレコ中は緊張感が漂っていますが、収録が進むにつれ、どんどんとキャラクターに命が吹き込まれていくのを見るのは、楽しい時間でもあります。最後に全員の声が上がった瞬間は、ただただ感動です。
そんなアフレコですが、2回目だから1回目よりは順調だろう…そう思っていた今回、実はいろいろな事件が起きていました。
体調不良者が出たり、1日分の収録データが消えて収録し直したり。
その他にも大小さまざまな事件があり、蓋を開けてみれば1話のときより大変だったような…。
連日朝から深夜すぎまで収録や確認に追われ、日差しを浴びることのない日々でしたが、スタッフ皆で逆境を力に変え、第2話もなんとかやりきりました。
第2話の一部は、先に紹介したPVでご覧いただけますが、ぜひともBlu-rayで英語版音声を楽しんでいただければと思います。
怒涛のロス5日間を終えて帰国したとき、日本はすっかり梅雨が明けておりました。
過酷なスケジュールに感覚が麻痺しそうになっている今日この頃、第3話も頑張ります!
次回は「ガンダムUC 上映イベント in ニューヨーク」をお伝えする予定です。
---海外プロモーション担当