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STORY

0096/Final Sect 虹の彼方に(2)

ストーリー挿絵

戦闘開始から二時間が過ぎ、《ネェル・アーガマ》は人もMSも消耗していた。バナージもまた、アンジェロの駆る《ローゼン・ズール》に苦戦を強いられていたが、トライスターのワッツの死を契機に虹色に輝くサイコミュを発動させる。虹色の光の中、バナージはアンジェロの精神と感応するが、アンジェロはこれを拒否、自らを破壊するのだった。

アンジェロに続いてフル・フロンタルがバナージの前に立ちふさがる。可能性を否定するフロンタル。バナージが感応したその心中は、光も闇もない虚無であった。バナージの意志が虚無へと引きずられようとするそのとき、マリーダが《クシャトリヤ》で割って入る。マリーダは《シナンジュ》を引きはがし、バナージを〈インダストリアル7〉へと先行させる。だが、〈インダストリアル7〉を目前にしてバナージの前に《バンシィ》に乗るリディが待ち受けていた。

感情をNT-Dに預け、《バンシィ》とともに暴走するリディ。《ユニコーン》との間に発生したサイコ・フィールドによって呼びかけられる人々の声が、更にリディの意識を苛む。激闘の最中、ついに《ネェル・アーガマ》に対し引き金を引くリディ。そこに割り込んだのは、フロンタルを退けたマリーダの《クシャトリヤ》だった。爆光とともに広がるマリーダの思惟。その光は、バナージやミネバ、ジンネマン、リディ、アルベルトの下へと翔んだ。

その頃、遠く地球――ローナンはマーサに促され、『カフカスの森』と呼ばれる北米の連邦軍基地に足を踏み入れていた。そこには、マーサによってある最終的な解決手段が用意されていた。コロニーレーザー、〈グリプス2〉。人類が生んだ究極の破壊兵器の砲口が、静かに〈インダストリアル7〉へと向けられつつあった――。


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